糸状菌の二次代謝産物:生合成と共生における役割と応用

motoyama
専任研究員
本山 高幸

糸状菌(かび)はペニシリンやスタチンなどの医薬品や、日本酒などの発酵食品を作る能力を持つ。更に、植物や動物の病原菌や、かび毒生産菌としても知られ、多彩な能力を備えている。糸状菌は二次代謝産物の主要な探索源の一つだったが、最近、糸状菌ゲノム中に予想以上に膨大な数の二次代謝遺伝子が眠っていることが明らかになった。我々は、これらの一部は共生を含む生物間相互作用に関与していると予想する。糸状菌の二次代謝産物の生物学的相互作用における役割を明らかにし、相互作用に関与する二次代謝産物の中から農薬や医薬を開発することを目指す。
このプロジェクトは以下の三種の研究課題からなる。
(1)糸状菌の二次代謝産物の生合成遺伝子クラスターの活性化と生合成メカニズムの解析
(2)糸状菌の二次代謝産物の共生を含む生物間相互作用における役割の解明
(3)糸状菌の二次代謝産物からの農薬や医薬の開発