化合物ライブラリー

理研天然化合物バンクでは、天然物化学を基礎とした化合物ライブラリーの構築を進めています。 微生物(放線菌、糸状菌など)、植物の二次代謝化合物を精製単離するとともに、天然化合物の誘導体や類縁体、さらには、ドラッグライクな合成化合物などを収集して、約4万化合物をライブラリー化しています。 これまでに、延べ25万化合物を越える配布実績があり、その中から、さまざまな生体タンパク質に対する結合化合物、阻害剤などが見つかっています。

平成21年から、効率的なスクリーニングを支援する目的で、標準化合物ライブラリーとパイロットライブラリーの2種類を作製、平成28年よりヒット化合物とその類似構造化合物から選択した化合物のライブラリーを提供しています。化合物は、10 mg/mLのジメチルスルホキシド(DMSO)溶液で5 µLを標準提供量としています。

Plates

標準化合物ライブラリー (Authentic Library)

標準化合物ライブラリーには、既に生物活性が知られている80種の化合物が搭載されており、その中には、抗生物質や効腫瘍薬、抗炎症薬として利用されているものや、タンパク質合成阻害活性、副腎皮質ホルモン様活性を有するものなどが含まれています。 新しくスクリーニング系を構築した際に、系の評価に使用することができます。 また、パイロットライブラリーと一緒に、スクリーニングに使用することもできます。

標準化合物ライブラリーの内容の一覧は、こちらに掲載しております。
化合物は、96well プレートの2列~11列に搭載されます。

標準化合物ライブラリー搭載化合物一覧
一覧のWell (A02 - H11) をクリックすると、化合物の詳細情報を表示します。
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Authentic plate

パイロットライブラリー (Pilot Library)

理研天然化合物バンクが整備した化合物ライブラリーのうち、スクリーニング用に提供できる約25,000化合物を、情報科学的手法により400程度のクラスターに分類しました。各クラスターには、それぞれ同じ骨格を有する化合物や共通部分構造を持つ化合物が含まれています。それぞれのクラスターの中から、クラスターを象徴する中心構造に近い化合物を選び、これらを集めてパイロットライブラリーを構築しました。そのため、パイロットライブラリーの化合物は、お互いに構造が似ておらず、全体として構造多様性に富んだライブラリーとなっています。

パイロットライブラリーを用いてスクリーニングを行い、生物活性が認められた場合には、そのヒット化合物や、ヒット化合物の誘導体、類縁体、同一クラスターの化合物などを提供しますので、より活性の強い化合物の探索ができます。

評価系